本を買うたびにレジ前で「憂国」の思いを熱くそして静かに、ひとしきり私に語っていくお客様がいる。
常に熱いので、ちょっと苦手なんだけれども「この本を仕入れてくれ。」と勝手に指示して、クチコミでお客様を店に引っ張ってくる。悔しいけれども腕はある。
買う本は右傾の本が多いが、買った本のすばらしさも滔々と語る。
自分で読んで周囲に薦め、勢い余ってどんどんプレゼントもしてしまうので、同じ本を何冊も買う。金もある。
自信に満ちた「強い思想」が存在すると、思わず周りはその「引力」に引き込まれる。 不思議な引力に疑問を感じながらも、なんとなく過ごしてしまう。