2ヶ月前、此処にあった本が欲しい。

 思い過ごしだろうが、混雑している時に限って時間のかかるお客さんが来店するような気がする。


 きょうも2ヶ月前に此処にあったという、題名も出版社も作者も覚えていないという本を売ってくれ、と粘られた。
 大体の外見イメージと内容しか記憶がないとのこと。
 「まったく見当も付きません。」と断ると、「何とかしてくれ。俺の本。」

 コンピューターでの検索でも無理。

人の記憶は曖昧だし、デジタル全盛で、ファジー(死語?)な部分は最近ほっとかれているような気もする。デジタル化ですべてが解決できれば便利だが、全てをデジタルに取り込むことは無理だ。
 そういうものは結局、コストと時代にそぐわないということで切り捨てられるしかないのか。