本とデジタル化
ちょうど今はテレビの地上波がアナログからデジタルに移行する期間に当たる。
これと似てはいるけれど、もっと長いスパンで、本(CD、DVD等も含む)という形態、パッケージでの流通は無くなり、形のないデータのみでの流通に置き換わると思う。
デジタル化されたコンテンツの方が扱いやすいし、これは必然の成り行きだとも思う
著作権の問題などの制約も、多くの人が求める簡便さには勝てないような気がする。
ただ現時点ではまだまだ、紙のパッケージが流通面でもコスト面でもコンテンツの享受の面でも、よりアドバンテージが大きい。
そしてなんと言っても多くの消費者にとって、デジタルコンテンツの扱い方が今のところ優しく(易しく)ない。
さらに「モノ」や形、パッケージにこだわる人は意外に多いように思う。
形のないものに抵抗なくお金を払える人種が増えていかないと、デジタルコンテンツは普及しないようにも思う。
やはり商売として成り立たないと変化は望めない。
これから数の面でも消費の主役になりそうな、いわゆる「団塊の世代」以上の人々にとって、形を伴わない「モノ」と分離したコンテンツが容易に受け入れられるだろうか?
まだまだ時間がかかるような気がする。
対して、デジタルに生まれながらにして馴染んでいる新人は、どんどん先に進みそう。
最終的には、今の「本」はコンテンツとパッケージが融合調和した形で、鑑賞収集愛蔵される「美術工芸品」として残るのではないだろうか。