渡辺恒雄オーナー(78)のヨミとカン

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20040814k0000m050142000c.html

 配達途上、車中のラジオで渡辺オーナーの辞任を聞いた。NHKでさえ速報で扱うことに渡辺氏の存在の大きさを感じる。

 再編問題で揺れるプロ野球界に、この辞任がどう影響するのだろう。


 いろいろ理由は取りざたされているが、再編問題をヒートダウンさせ、静かに模索を続ける環境を整えることが第一の目的のように思う。
 選手やファンの結束が固まり大きな世論となったとき、その敵役を求めることは自然の流れだ。革命における絶対王政のようなものだろう。


 渡辺氏は自分の歴史観や思想から時期を悟ったと思う。ここで引くことが晩節を汚さず、球界のためにもなるとヨンだ。

 裏金工作自体は前々から噂されてきたことだ。長い間この事に関わってきた球界の人間は数多い。保身のため口を噤んでいても必ず漏れる。
 今この時期にこの事を書き立てられ、さらに騒動が広がれば球界全体の収拾がつかなくなる。

 再編問題を機に、プロ野球は新たな時代に入った。


 渡辺氏のカンはここで働いたと思う。「必要以上に指導力を発揮し、スケープゴードになって、球界を盛り上げ成熟させるための敵役の役割は終わった。」と。