モラルと自由

 22日に帰国した拉致家族の子供たちの話を聞くと、彼らは身分の上下関係や親子関係の制約がかなり強い社会に育ってきたように感じる。朝鮮半島儒教の影響が大きい地域だからでもある。
 自由主義を標榜してきた国々の多くが経済的に成功を収め豊かさを満喫しているが、自由とモラルの両立がうまくいっているとは言えない。
 逆に自由に制約のある国々の方に、モラルがまだ生きているのかもしれない。見方を変えれば、不自由にも感じられるモラルが、決してうまくいっていない経済国家を守っているのかもしれない。(たとえ対外的には犯罪的な活動を行っていても、内向きにはモラルを強いている。)

 モラルに基づいたストイックで厳しい制約社会が、まだ隣りに存在していることを拉致家族の子供たちは教えてくれた。