植物が枯れたらどうする

 丹誠込めて育てていた植物が寿命なのか、世話の仕方が悪かったのか、枯れてしまった時どうしますか。水をあげたり、肥料を入れたり、日にあててみたり、人事を尽くすべきでしょうか。それとも、あっさりと見限るべきでしょうか。

 顧客管理において迷う命題だと思う。

 昔は、お得意先を大事にして少々の難は目を瞑って、ねばり強くだったのが、最近は早めに見限って多少、新規開拓ができるようになった。

 土地柄や業種によっても、その度合いは異なるだろうが、地縁、血縁やなじみを大事にするのは当然、地方の古き良き風習に繋がる。

 でも書店のような薄利多売を旨とする商売をしていると、おのずから商売の広がりに限界を生じてしまう。個人や企業、官公庁各々の購買力にも限界がある。建設業のような商売がしたくてもできない。

 勢い、新規の来店客や配達先得意先を増やして、商品の回転を良くする方向に走る。
 とくに爆発的な売り上げを期待できるのは、不特定多数の同じ思考、行動パターンをとる浮動客だ。
 
 しかし本当は、特色ある棚づくり、店づくりをして、リピーターを確保するのが王道だと思う。リピーターもいるにはいるが今のところ少数派で売り上げは期待できない。

 地道な努力を続けリピーターを確保しつつ、不特定の大勢の客を取り込む。これだな。
 地道なリピーター部分が、いわば年金の1階部分で、不特定多数が2階部分で、さらに3階建ても大口客で狙えるか。

 植物が枯れたら、バッサリ見限る決断力をいまだに持てない。