『大不況には本を読む (中公新書ラクレ 321)』
「思想性ゼロの国」でいま起きている日本人の魂のドラマを描き、「本を読む」人間を取り戻すための方法を深く考察した硬骨の力作
「『不況』と『本』という、今となっては『一つに結びつきにくい』と思われているものを一つにして、この本を書くことにしたのです」(著者)。
好景気時代が遠のき、「大不況」に慣れてしまった状況の中で、
少しでも景気復活の兆しが見えてしまうと、一気に気が緩んでしまいがち。
今すぐにでも、不況下の厳しい状況を忘れてしまいたいという衝動に駈られる。
なかなかじっくり構え本を読む余裕がない雰囲気が漂う。
切実に大不況に瀕していたもう少し早い時期だったら『大不況には本を読む』のタイトルはもっと目立ったように思う。