武士はなぜ歌を詠むか 鎌倉将軍から戦国大名まで  毎日8/10書評 朝日9/21書評

武士はなぜ歌を詠むか  鎌倉将軍から戦国大名まで (角川叢書)

目次

  • 序章 源氏将軍と和歌
  • 第1章 歌人将軍の統治の夢―宗尊親王と鎌倉歌壇(多幸の親王将軍 鎌倉歌壇の最盛期 失脚と余生 宗尊親王和歌の特質)
  • 第2章 乱世の和歌と信仰―足利尊氏南北朝動乱(尊氏青年期の和歌的環境 神仏への祈願と和歌 鎌倉将軍と京都歌壇 戦陣における和歌)
  • 第3章 武蔵野の城館と歌人―太田道潅と国人領主(鎌倉府の落日 五十子陣の攻防 江戸城に集う武将と歌人 道潅の和歌事績を求めて)
  • 第4章 流浪の歌道師範―冷泉為和の見た戦国大名(室町後期の冷泉家 歌道門弟の育成 「田舎わたらい」の日々 戦国大名の和歌の実力)

 宗尊親王足利尊氏、太田道潅、冷泉為和を軸に、
 和歌を介在とした「政治、外交」が展開される場面が丁寧に描かれる。
 

古文書の分析からはわからない武士の心の動きもその和歌からわかることが多い。

 まだ分析されていない「歌」がほとんど。 新たな史実解明は、ここから多くの成果を得そうな気がする。