貸した本が返ってこない、から買う。
「貸した本が返ってこない。」→「同じ物を買いたい。」
お客様からよく聞くフレーズ。
借りた人が又貸しして、本来の持ち主から遙か遠くを本が渡り歩くことも珍しくない。
返ってこないことが、気になり始めると止めどなく気になる。
貸すときは「気軽に」応じるが、返ってこないとなると、所持しているときには感じない「価値」や「執着」をその本に感じるのかもしれない。
貸した相手への感情的なものも湧いてくる。
しかし、その本の価値を再認識して「有り難い」と思えることは幸せかもしれない。
図書館から借りて返さなければならないけれども、この本は所持していたい。買いたい。というケースもこれに似ている。
「本は買わない。」と広言してはばからない人も多い。
おしゃれや食事に結構出費を惜しまないのに、本は借りればいい、読んだ後邪魔になると割り切っている人も多い。
確かにコンテンツさえ体内を通過させ、必要な物を取り込めばいいのかもしれない。
それでも書店としては多くの人に本をなんとか買ってもらうわなければならない。
そのためには、普段それぞれの人が抱いている本の価値を再認識して「有り難い」と思えるような「うまい仕掛け」がほしい。