大河義経「清盛死す」雑感
五足(ごたり、北村有起哉)は原作本の創作だが、「蓬の壷」に放火する場面は、三島由紀夫の『金閣寺』や水上勉の『金閣炎上』を改編しているような気がする。
美意識の問題か?拝金主義への絶望か?炎の中の清盛は不動明王か?
五足の思考と行動は、視聴者に対する「清盛の夢と死」の表現に幅を持たせたかったんだろう。渡哲也の臨終シーンだけでもおなか一杯だったけれど、
さらに感動も深まった。
それから、平時子(松坂慶子)が平家一門の主だった人々を前に、「頼朝の首を取れ」と気合を入れる場面。
40年後の「承久の変」(1221年、 承久3年) の際、北条政子が鎌倉殿の御家人たちを前に気合を入れる場面とそっくり。
強力な女性キャラを登場させるのも、源平対峙型か。
さすが大河。「清盛死す」のモチーフだけでこれだけお金と手間と時間がかけられる。貴重です。
それから蓬が体に良いのは確かかも。