もっと本を読もうよ メガヒット頼みの現状/子供に“回帰”の流れジワリ

http://www.sankei.co.jp/news/050101/boo008.htm

これまで日本の出版界を支えてきたのは、世界に例のない厚い中流層であった。だが、バブルがはじけて以降、貧富の面で社会構造の二極化が進み、中流層の崩壊が始まった。それはそのまま読書人口の減少につながった。読書とは夢をはぐくむ行為である。二極化の進行は、社会を構成する人々の多くから夢を見る気力さえ奪う。バブルがはじける直前の昭和六十三年が販売部数のピークだったことは象徴的だ。読書人口の減少は単に景気の問題ではない。

 なるほど。確かに読書意欲は「世界に例のない厚い中流層」が一番高いかもしれない。しかし本を読まない代わりとして、何かにその意欲と金が移動しているのではないか。  中流といわれていた人々の好奇心を満たすものが何かあるはずだ。 経済的に貧しても、その内面はいきなり最下層まで落ちては行かないだろう。

 ケイタイメール等に見られる新しい文化を下支えしているのは、バックボーンとして脈々と培われてきた多様な文字文化ではないのか。 
 若年層が読書に回帰するには、新しい文化の基盤を得るための「読書」という位置づけをアピールする必要があるかもしれない。