「龍馬暗殺」、『こなくそ』の使い方は良かったと思う。

 新選組!「龍馬暗殺」ではいろいろ工夫して、残された暗殺の手がかりを盛り込んできた。当然、完全な史料通りの再現はする必要はないが、限られた条件でうまく構成してあると思った。

 『こなくそ』原田左之助の伊予訛り説も曖昧な証言であり、『刺客が残したと思われる刀の鞘』、『刺客が残したと思われる下駄』と同様、後世過大に解釈されてきたように感じる。

 「龍馬暗殺」が近藤勇処刑の際、大きなウエイトを占めたこともそうだが、このイベントがいろいろな意味で都合よく利用されてきたことは間違いない。

 そしていつの間にか、幕末維新を生き残った人々の戦後談として自慢アイテムのひとつとなった。
 維新後一般的には新選組同様、坂本竜馬の評価もそれほど高くなかったのに再評価が進んだのは自慢話、思い出話ブームが大きいと思う。