無力な日本プロフェッショナル野球組織(NPB)のコミッショナー

 辞任したくてしょうがなかった、としか思えない言動。球団の経営権には立ち入れないという立場を楯に、調停はまったくおそまつとしか言いようがない。

 球団側と選手会の合意までわずかの相違しかなかった、と後から聞くとなおさらコミッショナーのいい加減さが目立つ。
 まあストで得たもののひとつとして、役に立たないコミッショナーの更迭ということにしよう。


 もともと実状に疎い人材をトップに据える事自体、実権の在りかが見えない別の場所に在るということを如実に示している。
 今回の労使交渉に出席した球団代表者たちの立場も、あくまでオーナーたちの意向を踏まえたもので、主体性や決定権を持たされていない。
 
 飾り物のコミッショナーと球団代表者たちが相手では、歯切れの良い結果など得られない。さらに言えば、プロ野球界の実権を持っていると思われるオーナーたちさえ、互いに牽制しあったり、実業界の事情により明確な意志を持ち得ない。
 あるオーナーがなりふりかまわずオーナー間の根回しに奔走していた姿は記憶に新しい。

 もともと纏まりようのない展開だったんだ。実状に即した素早い対応はできない体質だったんだ。直面したストという刃を前に何もできない。肝も据わっていない。