オレオレ詐欺の成立要因

 後を絶たない「オレオレ詐欺」今回の事例に注目したい。

9日午前10時ごろ、新津市の無職女性(62)から「オレオレ詐欺にあった」と新津署に届けがあった。約200万円をだましとられたという。

 同署の調べでは、8日午後1時ごろ、警察署の交通係を名乗る男から女性宅に電話があり「息子さんが事故を起こした。示談で済ませるが修理代が198万円かかる。振り込む前に携帯に電話をしてくれ」と言われた。女性は同市内の銀行で指定された口座にすぐに振り込んだ。

 行員は「オレオレ詐欺ではないか」と疑い、子供に問い合わせるよう言ったが、女性は現金自動出入機(ATM)で振り込んだ。

 その後の調べで口座は架空名義で、振り込んだ直後に全額引き出されていた。携帯電話もプリペイド式で所有者が分からないという。電話口では、別の男の泣く声がしたといい、同署は複数犯とみて調べている。http://mytown.asahi.com/niigata/news02.asp?kiji=6152(6/10)

 銀行員は明らかにおかしいと思って忠告したが、被害者はあえて確認せずにATMで振り込んでいる。
 理由として考えられる事として

  1. 銀行員が窓口でいつも「何にお使いですか。」などと自分の金なのにとやかくうるさいため忠告を無視した。
  2. あまりにも気が動転していたため、忠告が耳に入らなかった。
  3. 電話口で泣いているのが間違いなく息子だと信じていたので、助けるため一刻も速く振り込みたかった。
  4. ATMの方が振り込み手数料が安い。etc

 
 4番は論外だとしても、年寄りは思いこんだらハマり込んで思考停止状態になる。そこの所にオレオレの成立要因があるのだろう。
 良心的な他人の忠告も、悪人のツボを心得たトラップにあっさり屈してしまう。

 店に来るお客さんでも、多くのお年寄りは思いこみが激しい。そしてその呪縛を解くには多大な労力を必要とする。
 明らかに本人の為にならない頑なな思いこみを解くより、こちらの商売の益となるハマるツボを新たにこしらえた方が楽かもしれない。

 それがひいてはお客さんの為になり、こちらの小さな商売の利益となればいいなあ。
ちっぽけな書籍代雑誌代なんだから騙されてくれよ。っていうかこっちのトラップが下手すぎ。