大学教授
出入りしている大学の教授の研究室に、
(教)「チョットコイ。」と呼ばれた。
(書)「何かな。」と思って行くと、
(教)「買いたい本があるが、取り寄せて見てから買うかどうか決めたい。」と言われる。聞けば専門書で高い本だ。 当然返本はできない。出版社と交渉次第だけど。
(書)「申し訳有りませんが、できかねます。」と断ると、
(教)「ずいぶん手広く商売して、儲かっているんだろう。なんとかしろよ。」と言われる。
(書)「しょぼい書店です。勘弁してください。利幅も2割しかないんです。」
(教)「だから田舎の本屋は駄目なんだ。」確かにそうかもしれない。
(教)「給料も結構もらっているんだろ。」
(書)「年収200万くらいで、しかも景気悪くて2割カットされてます。」
(教)「えっ。それは気の毒だ。・・・かわいそうだから、何冊か注文してやろう。」
(書)「ありがとうございます。でも本来るの遅いし、キャンセルもできません。」
(教)「いつでもいいよ。」
金にかかわる惨めな話は最終兵器だ。でも真実だけど。
(教)「ウチの学生や先生も、本買うだろう。」
(書)「いいえ。全然。」
(教)「みんなどこで買って入るんだ。」
(書)「ネットとかじゃないですか。それにあまり活字とか読みませんよ。携帯に金かかるし。出版物の売り上げは年々減り続けています。」