孫のしもべ

 毎日お年寄りが大勢こどもの雑誌やコミックを買いに来る。
 たいてい孫に頼まれ、あるいは孫のために自発的に買いに来ている。
 とてもいいお客様なのだけれど、あまりにも孫の「パシリ」化していて気の毒になる。 たまに「その本は売り切れて、今店頭にありません。」なんてこちらが言おうものなら年寄りは、この世の終わりのような様子で、へこむ。『帰ったら怒られる。』『どうしよう。』『何とかしてくれ。』と訴えられる。
 孫のしもべだな。でもその境遇を本人は楽しんでいるにちがいない。打ち込めることがあるだけ幸せか。
 でもやっぱり自分自身の為に生きようよ。孫は別の人格なのだから。自分で買いに来させた方がいいよ。