強かな迷子

 天気が良すぎて客の入り悪し。皆、農作業に忙しい。
 今日も暇な1日。
 そんな暇な夕方、店につれてきた5歳の女の子がいなくなった、と母親が泣きついてきた。


 早速付近を手分けして捜索。
 幸い店の近くの路上で泣いているところを発見。
 田舎だから暗くなると怖い。


 迷子の母親は何度も「ありがとうございました」と感謝していたが、それだけでは足りないと思ったらしく、
 折角だから、何か本を買っていこうということになり、当の迷子に好きなものを選べと示唆した。
 すると、泣いていた子は俄然張り切ってあれもこれもと大量に選んで、レジにドカン。
 これには母親も驚いていたが、場の空気もあり仕方なくお買い上げ。


 「風向き」が良くなった事を敏感に察して、間髪を入れず自分に有利になるよう事を運んだ5歳の女の子の勝利。
 この年齢にして、既にしたたかだ。