大河「篤姫」 13代家定の捉えかた。

名君と暗君と―歴史の交差点名君・暗君 江戸のお殿様 (平凡社新書)

 堺雅人演じる将軍家定(家祥)の奇行が炸裂しているが、劇中で島津斉彬も察する通り、単なる「暗愚」ではない描かれ方となっている。

 参勤の際、他国の様子を窺い知りえる事は大いなる強みと言い放ったり
 雨の夜にワザと水播きしたり、アヒルンルン♪アヒルンルン♪とこれ見よがしに戯れたり、金平糖派手にばら撒いたり。
 黒船に対しての奇策に敢えて注目したり。


 特に3/30放送では、豆を煎る火鉢は火力が強いほうが良いと希望していたが、阿部正弘との御台所に関する話の流れから、「火鉢」を見事に「御台所」の資質に関連させて語っている。


 トップに中途半端な「名君」が座ると周囲は逆にやり難い。
 邪魔になると、押し込められたり毒殺されたりでろくなことは無い。
 ならば、いっそ「バカ殿」「暗愚」が望ましい。
 その微妙なところを13代家定は知っていたに違いない、という設定か。

 名君島津斉彬もその辺りでミスった。結局毒殺されてしまうし・・・。家定に学ぶべき点もあったかもしれない。