津村さんはこの一年、夫の遺稿を校訂し、短編集『死顔《しにがお》』、エッセー集『回り灯篭』『ひとり旅』を刊行しました。一周忌も済ませ、気持ちの上でもやっと一区切りのついた今、伴侶として、そして同じ作家として、吉村さんと共に歩んだ年月を振り返ります。
こころの時代 『夫・吉村昭の生き方』 津村節子がよかった。
小説のほんのワンシーンのために、徹底的に取材する作家の姿が、同業の妻の視線で語られている。
仕事に関係しないことには興味を示さず、自らの病気について周囲に語らず、吉村昭の作家としての矜持を感じた。