歩み寄り 

 雑誌の配達に行っているラーメン店で「おいお前、こんな忙しい時間に配達に来るな!」と怒鳴られる。
 ちょうどこの店ではチラシに割引クーポンを付けて配布したばかりで、客がひっきりなしに出入りして忙しそうだった。
 普段とは違うこの混雑に思わずブチ切れての怒号だったらしい。



 私もちょっとムカついたが、尤もだと思い返し次からは時間を見計らって配達を調整した。さらに今までより笑顔で愛想よく手渡すように心懸けた。



 ラーメン店の方でも「ちょっと失礼な物言いだった。」と気にかかっていたらしい。
 対応も穏やかになって「ご苦労様。」「またよろしく。」という言葉さえ聞かれるようになった。


 絵に描いたような「クサイ展開」だけれども、険悪な関係でいるよりずっと良い。

 結局、つまらない感情の行き違いが破局に繋がる。「歩み寄り」は多少恥ずかしくても成すべきだと思った。
 『戦争』もつまらない所からハッテンするし。