他人を見下す若者たち

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)


 「自分以外はバカの時代!」という鮮烈なコピーが目を引く。


 「若者」と銘打ってあるが、内容は「今の世の中全体」に対する警鐘なので、他人事と割り切ることはできない。
 年輩者が「若者」のみを責めるアイテムにはならないはずだ。

 
 でも、今の「若者」を苦々しく思っている人々が「ソソられるタイトル」にはなっていて、購入の動機付けには十分だ。




 他人を自分の中で貶めることは、最も手軽で誰にでもできる「自分癒し」の方法だ。
 この手法に慣れると、楽なこの手法ばかりを使いたくなる。まるで中毒症状のように。 だから、さらに強い刺激を求めたくなる。もっと他人を貶めたくなる。
 

 どこかでこのエスカレートに気づかなければ・・・この本は歯止めになる1冊だと思った。