「薔薇族」の廃刊
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/oct/o20041002_120.htm
旧スタイルの雑誌文化が、またひとつ無くなった。レトロな雰囲気を醸し出し、ちょっと怪しくて、近寄りがたい存在は貴重だった。
町の中小書店でこっそり買う、隠れたベストセラーだった。
昔、東京の書店で私がバイトしていたとき、同級生が「別にそうじゃないから。」と言い訳しながら「薔薇族」を買いに来てくれたことを懐かしく思い出した。
「薔薇族」が残した大きな功績のひとつに、大手取次会社のルートに乗せたことがある。全国の書店に配本されるというルートを確立したことだ。通販などで直接送られると家族などに知られてしまう。読者の多くが、内緒で近所の書店で購入していたのだ。そうした町の中小書店が近年激減していることも廃刊の追い風となった。