世論操作

 今週のフライデーにも書いてあったけど、イラク人質騒動の際の政府の対応は、明らかに深謀遠慮に満ちた世論操作を目的になされたように思う。


 まず、人質が拘束された際の犯人によるビデオ映像の残虐部分のカットに関する操作は、いかにもその影響を憂慮したように見せておいて、世論が過剰に人質に対して同情的になるのを抑える効果があった。
 ほとぼりが冷めた頃、一般公開している事からも、決して残虐な映像の及ぼす影響を危惧して自粛したわけではないのだろう。残虐映像が公開されたころには人質に対する国民の見方は激変していた。政府の世論操作が成功している。
 
 また、報道陣に人質の周辺の取材をするよう示唆したことも、政府にしてみれば大成功だった。報道陣にしてみれば、おいしい餌を与えられ、いいように操られた感じ。おいしいネタはどこもかしこも、ヨってタカって食いつく。

 そして、あらかたパッシングが済んだところで、人質家族へのいやがらせを心配しているようなコメントを出す。完璧だ

 さらに、人質奪還にかかった資金を明らかにするよう、政府周辺から発言させる。お金がかかったことは、国民も薄々気づいてはいるが、人質のせいで暗にお金を無駄使いしたような印象を国民に植え付ける。見事だ。

 そして、こんなことになったのは、政府のやり方に批判的な連中が、むやみやたらにイラク入りして、よけいな事をしたからと結論づける。悪いのは犯人よりむしろ、奴らだ。というような感じを、国民に与える。
 

 政府の危機管理は万全といったところか。

 政府の世論操作が悪と決めつけるワケではない。(それが政府のお仕事)
 いろいろな見方や考え方が有ることをメデイアが報じることを怠っているように思う。 美味しいものばかりに、みんなを誘導してしまっている責任は重い。

 でも、考えてみれば、こちとらの商売もお客を良いように誘導、操作出来るか出来ないかが勝負の分かれ目。こっちの思うようにお客が買い衝動を起こしてくれることを目指しているんだ。需要は作るものだし。

 国民やお客の声に耳を傾けているように見せかけているだけなのか。