身近な存在と張り合う気持ち

 本を買う動機の中で大きなウエイトを占めているな、と感じるのは、買い手側の「身近な存在と張り合う気持ち」だ。
 友達や近所、親戚等の情報、いわゆるクチコミによって、メラメラと買う気がおきて、「よし私も。」と購入に至っている、と思えるお客の気分がひしひしと伝わってくる。
 ほんとに狭い範囲での張り合う気持ちなんだけれども、これが一番の購入の決め手になっているケースが多い。
 この気持ちを利用しない手はないんだけれど、本当にいいのかと思い直し、じっくり考えて買って欲しいなとも思う。
 張り合う範囲が狭く浅いから、ちょっと時間が経ったり、広い見地から考え直したりすると、途端に熱も冷めてしまう。そして「このあいだ買ったけれど、全然読んでないよ。」なんて愚痴られたりする。
 でもまあ、本なんて安いから、それで良いのかもしれない。と思ってみたりする。