全国書店新聞8月1日号記事 【 書店に未来はあるのか 】

http://www.shoten.co.jp/nisho/syoten7/shinbun/view.asp?PageViewNo=5950

 「書店が生き残るためには・・・」と書店の立場ばかりからの見方では、結局生き残れない。
 現状にしがみつきたいのは山々だけれども、最近の書店を取り巻く環境の急激な変化は「真摯に受け止めなくてはならない。」(安倍総理ではないが)
 私たちには、どこかに「なんとかなる」といった甘えがある。

 アメリカを見てみると、90年代にバーンズ・アンド・ノーブル、ボーダーズを中心にスーパーブックストアができ、あっという間に全米のインディペンデントをつぶして、怒涛のごとくチェーン展開してシェアを奪っていった。
 そんななかでインディペンデントとして対抗できている書店を見てみると、2つのタイプがある。

 1つは非常に専門的で特定ジャンルに強い。地域に根差して自分の不動産を持ちいい場所で家業として続けているところ。

 もう1つはナショナルチェーンに負けないような大型店を核に地域で複数店舗を展開して地域ナンバーワンシェアを維持しているところ。
 そのどちらかのタイプの書店しか生き残っていない。

 アメリカの例が、日本でも成立するとは決して思わない。国民性や国土の状況など事情はまったく異なるといっていい。
 しかし、現状はアメリカスタイルの書店の淘汰が進みつつある、と思う。

 自分の不動産や利益が見込める業種を多角的に経営していることが、地方では必須かもしれない。