配達先のおばあさんの、なんてことはない話

幸せなお金持ちになる本 (Vol.1) (マキノ出版ムック)ひとり暮らしをとことん楽しむ ! 2007年 03月号 [雑誌]
一人住まいのおばあさん(over90歳)から電話で注文された本を配達に行った。
このおばあさん、広壮なお屋敷に住んでいるが、立派な部屋がたくさんあるのに布団部屋みたいな4畳半に炬燵をたてて居室とし籠っている。
普段は台所とトイレとその居室しか使っていない。


頭も眼も足腰も丈夫だが、耳だけが遠い。
今日も玄関で私がチャイムを鳴らしても、玄関で叫んでも、まったく聞こえないらしく出てこない。
仕方なく、あがりこんで長い廊下を経て居室の襖の前で声をかけたが、中で「世界遺産」のDVDを大音響で観ていて気づいてもらえない。
再び仕方なく、襖を開け声をかけたが駄目。
さらに仕方なく、持ってきた本の包みで背中を突く
ココまでして、やっと気づいてもらえて代金も回収できた。



お金持ちで気前もいいので「釣りはいらない」と毎回言われるが、当然遠慮する。
財布は札束でまるまると太っている。



普段の食生活も着るものもきわめて質素だ。物欲は・・・もう無いらしい。
ストレスもあまり無いらしく、そこに長生きの秘訣を見たような気がした。


ただもし今後、配達に行って突いても応答が無かった時、どうしよう。