朝日書評2/13 「下流志向―学ばない子どもたち 働かない若者たち」

http://book.asahi.com/review/TKY200702130165.html

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

 読んでいて「出版不況」のことを思った。

「これを勉強すると何の役に立つんですか」、「何の役に立つか」と問う人間

 読書は「本来」、役に立たない「三余」の道楽だと私は思う。

 何の役に立つか?何の利益があるか?と問われても、読書において「消費社会の原理=等価交換」は成立しないと思う。

消費者にとって、自分がその有用性を理解できない商品は意味をもたないからだ。

 「読書によって、見あうと自分が判断する利益がコンビニエンスに得られれば買って読む」と思うけれど、そうでなければ面倒くさいと思う人は読書から遠ざかる。いわゆるマニアだけで数は売れない。


 私たち書店は「消費社会のルール」に沿った営業を展開している。出発点から「来」の読書とは異なる立ち位置なのかもしれない。