「こんな書店で買うな」


 お盆休みで連日、家族連れのお客様が多い。

 元気のあり余ったこどもたちが、店内ではしゃぐ。

 陳列前のコミック等に、数人のこどもが群がり立ち読みが始まる。

 「はい、ここでは止めてください。」と声をかけると、父親らしき人が「ほら、止めな。」と亀田父ばりに子らの頭を叩いた。
 結構激しく叩いたので、いい音がした。
 こどもたちは即停止して引き下がった。


 すると、今度はこどもたちの祖母(父親らしき人の母親)らしき人が、
「そんなに激しく叩くことないだろう。それに本なんて中身を確認しなければ買えないじゃない。こんな本屋で買う必要なし。帰るよ。」
 とキレて怒鳴りながら帰っていった。


 立ち読み、座り読み自由の書店が増えているのに、立ち読みで注意するなんて時代錯誤なんだろうか。
 なにかとせわしないお盆休みに、みんな疲れているのだろうか。

本の雑誌 (2005-12) カキフライ待ちぼうけ号 No.270

本の雑誌12月号の特集は「立ち読みの研究」! おっと、本の雑誌が立ち読みの研究なんて、おいおい、いいのか、と思われるかもしれないが、書店はすべての立ち読みを否定しているわけではない。もちろん立ち読みを励行するつもりはないが、マナーを守れば歓迎される気分のいい立ち読みだって可能なのだ。では、どういう立ち読みならいいのか。