ちょっと泣いた。

 いつもメールや電話で注文をくださるお客様には、入院中の患者さんも多い。 
 長期加療中の方は長いおつき合いになって、その病状も気になったりする。
 注文が途絶えると「治癒して退院したかな」と気になったりする。



 昨日、しばらく注文の途絶えていた入院中の方から久しぶりに注文があった。
 いつものメールではなく、看護師さんからの手書きのメモだった。
 久々に病床を訪れると、病状が進んで寝たきり、メールや電話は出来ない状態だった。
 それでも気丈な様子で、「僅かな注文で足を運ばせて済まない。」と気遣ってくれて、届けた本を嬉しそうに眺めていた。手で本が支えられないので、何ページかめくって読むのに付き合った。

 私が帰るとき「ありがとう」と声をかけてくれたが、とても弱々しい。
 自分が厳しい状態なのに優しい気遣いが出来る。凄いことだと思った。
 ちょっと病院の廊下で泣いた。