蒙古襲来絵詞、おまえもか!

 朝日新聞文化面、単眼複眼で知る。

 有名な場面だけにショックも大きい。
 蒙古襲来は現代の日本にとっても大きな影響を持つ事件だけに、江戸時代の人がどのようにこの事件を捉えていたか、この改竄から知ることもできる。
 時代時代で過去の歴史認識は大きく変化する。
 現在の解釈が絶対ではない。
   
蒙古襲来絵詞と竹崎季長の研究 (錦正社史学叢書)

蒙古襲来絵詞竹崎季長の研究」  佐藤鉄太郎著
 著名な「てつはう」や三人の蒙古兵などは江戸時代に改竄で描き込まれた絵であり、これらの江戸時代に改竄で描き込まれた絵や、初めの手直しで主人として描き込まれたが二度目の手直しで従者にされている絵などの手直しの絵や、「大友兵庫守頼泰之手軍兵」と注記された武士団は実際は宇都宮氏の武士団を描いた絵であることや、二種類ある蒙古襲来絵詞の絵や詞書はそれぞれどのような関係にあるのか、現存している詞書や絵のほとんどは完全な形で遺っていることなどを、精緻な考証と分析によって蒙古襲来絵詞について数多くの新しい事実を初めて解き明かした研究であり、蒙古襲来絵詞についての従来の学説を根本的に改めた初めての研究である。